自保ジャーナル2010号(2018年3月22日号)に掲載された東京地裁平成29年9月1日判決(確定)。「左足関節機能障害等の自賠責併合11級認定を受ける88歳女子の自宅前階段改修費は本件事故と相当因果関係が認められると認定した」
このケースは、自賠責12級13号右膝痛、12級13号左踵部痛、12級7号左足関節機能障害などから、併合11級の後遺障害認定を受けたうえで訴訟が提起されている。
判決によれば・・・御本人の障害の状況からすると、自宅前の階段は、手すりを設置するだけでは転倒の危険性がなお残る。階段の最上段を改修する必要があるが、そのためにはさらに階段全体の改修も必要。本人、医師、理学療法士、ケースワーカー、親族も関与の上で、工事が行われた。
自保ジャーナル掲載の他の判決例では、最小限の工事に絞って必要性を認めていたり、同居の家族も利便性向上による利益を享受しているとして3割のみを認めたりしているので、注意が必要だろう。
いわゆる赤い本の2018年度版50ページからは、家屋だけではなく、自動車の改造費についても判決例が集積されている。
弁護士 山岸陽平 (金沢法律事務所)